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【書評・レビュー】『medium 霊媒探偵城塚翡翠』あらすじ・感想
本記事では、ネ相沢沙呼の代表作のひとつ 『medium 霊媒探偵城塚翡翠』 は、発売当初から「ミステリーランキングを総なめにした」と話題になった推理小説です。ミステリーファンなら必読と言える一冊であり、意外性と美しい構成力に圧倒されます。タバレなしのあらすじ、感想、作品の魅力やおすすめポイントを紹介します。
書籍情報
- タイトル:medium 霊媒探偵城塚翡翠
- 著者:相沢沙呼
- 出版社:講談社
- 発売日:2019年9月
- ジャンル:ミステリー・スリラー
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』のあらすじ(ネタバレなし)
死者が視える霊媒・城塚翡翠と、推理作家・香月史郎。
心霊と論理を組み合わせた真実を導き出す二人は、世間が騒がす連続死体遺棄事件に立ち向かう。
証拠を残さない連続殺人鬼に辿り着けるのはもはや翡翠のもつ超常の力だけ…。
ミステリーランキング5冠、最驚かつ最叫の傑作!
作品の魅力・読みどころ
主人公の城塚翡翠は「美しくミステリアスな霊媒師」でありながら、決して超人的な万能キャラではありません。むしろ人間味があり、どこか儚げな雰囲気を持っています。その不完全さが彼女をより魅力的にしており、読者は自然と感情移入してしまいます。
一方で、香月史郎は作家らしい冷静さと論理的な思考で事件を分析する存在。翡翠との掛け合いは軽妙で、シリアスな事件の中に少しのユーモアや温かみを生んでいます。二人のコンビ感は、物語をより一層楽しく読ませてくれる要素でした。
本作の大きな特徴はただの連作推理小説に見せかけてある瞬間に物語の認識が根底から覆る点です。
序盤から中盤にかけては比較的オーソドックスな「事件解決型」のミステリーが続くのですが、後半に入ると「これまで読んできた物語は一体何だったのか?」と思わせる大転換が訪れます。
しかも、そのどんでん返しはただの驚かせ要素ではなく、しっかりと伏線が張り巡らされており、読み返すと「最初から仕組まれていた」ことに気づかされる構成力の高さに感嘆しました。
「霊媒」という超常的な力と、「論理的推理」という相反する要素を融合させた設定はユニークです。
本来なら相容れない要素ですが、翡翠の霊視はあくまで事件解決のきっかけに過ぎず、核心は香月の論理によって導かれる。このバランスが絶妙で、「霊媒探偵」というキャラクターを唯一無二の存在にしています。
また、作品を通して描かれる「人の心の弱さ」「人が人を信じる難しさ」といったテーマも印象的で、単なる謎解きにとどまらない読後の余韻を与えてくれました。
本作の醍醐味は「読者が必ず騙される」と言われるほどの仕掛け。
私自身も、読み進める中で「なるほど」と思っていた理解が一気に崩され、唖然としました。それでいて後出し感がなく、納得させられる巧妙さに唸らされます。
読み終えた後は「してやられた!」という爽快感と、翡翠というキャラクターへの愛着が同時に残り、すぐに続編へ手を伸ばしたくなりました。
こんな人におすすめ
- ミステリー作品が好きな人
- シリーズで世界観を味わいたい人
- どんでん返しのある作品が好きない人
心に残った一文(イメージ)
「真実は、いつも人の心の奥に隠されている」
まとめ
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は、ただのミステリー小説ではありません。
霊媒という不思議な要素と、本格的な推理が見事に融合し、さらに驚きの仕掛けによって読者の期待を裏切り続ける傑作です。
読後には「してやられた!」という爽快感と同時に、人の心の複雑さや弱さへの余韻が残ります。
翡翠と香月のコンビの魅力も相まって、一度読み始めるとページをめくる手が止まりません。
ミステリー初心者から本格派のファンまで、幅広い読者を満足させる一冊。
そして、このシリーズの入口としても最適な作品です。
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- 霊媒探偵城塚翡翠 レビュー
- 第20回本格ミステリ大賞受賞
- このミステリーがすごい! 1位
- 2019年ベストブック
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